じゃがいもほど身近な食材で大人から子どもまで人気な野菜は少ないですよね。
加工もしやすく、常に買い置きしている家庭も多いのでは?
しかし自宅でゆでたじゃがいもを食べた瞬間
「あれ、なんかいつもと違って苦いかも」
と思ったことありませんか?
「これって吐き出すべき?でもせっかく時間かけてゆでたんだし食べちゃえ〜」
なんて軽い気持ちでゴクンっ。
…後から後悔することになりますよ!!!
実はその苦味、じゃがいもの毒素が原因なんです。
今回は
①ゆでたじゃがいもが苦い原因とじゃがいもの毒性について
②苦いじゃがいもを食べてしまった場合の対処法
③苦いじゃがいもの処理方法と食中毒の予防法
身近な食材”じゃがいも”で腹痛やしびれといった食中毒を起こさないためにも、苦いじゃがいもについてご紹介します!
茹でたじゃがいもが苦い原因とじゃがいもの毒性について
ゆでたじゃがいもを食べた時に苦味やエグみ、舌がピリピリするようなしびれを感じたら飲み込んではいけません!
すぐ吐き出しましょう。
この苦みの原因は、危険な毒素なんです!!
じゃがいもの芽に毒が含まれることは、よく知られていますよね。
同様に芽の根元部分やじゃがいもの皮が緑色になっている部分にも、じゃがいもの天然毒素のソラニンが多く含まれるため必ず取り除いて調理しないといけません!
じゃがいもには元々ポテトグリコアルカロイドという毒素があるのですが、特に皮に多く含まれており日光に当たったり傷がつくことでポテトグリコアルカロイドの量が増えてしまいます。
このポテトグリコアルカロイドの主となる毒素がソラニンやチャコニンなんですね。
スーパーでまとめて買ったじゃがいもが食べきれずに残してしまい、しばらくすると芽が出てきちゃってた!
知らずに日光に当てて緑化してた、というときは気をつけないといけません。
ソラニンやチャコニンを大量に摂取してしまうとどんな症状が出るのでしょうか?
なんと「腹痛」「頭痛」「吐き気」「嘔吐」「下痢」「めまい」といった食中毒症状を引き起こします。
日本では死亡にまで至る事故例はまだありませんが、海外では何件か重症や死亡という事故もあるので、小さな子供や高齢の方との食事には気をつけたいですね。
苦いじゃがいもを食べてしまった場合の対処法
じゃがいもに含まれる毒素「ソラニン」と「チャコニン」ですが、もし食べてしまったらどうすればよいのでしょうか。
これらの毒素は食べた時に、舌にピリピリした刺激や苦味・エグみを感じます。
じゃがいもを食べて少しでもいつもと違うと思ったら、すぐ吐き出しましょう。
もし飲み込んでしまい、腹痛や吐き気などの症状が出たらすぐ病院に行き、お医者さんに見てもらう必要があります。
特に子どもが食べてしまった場合、大人の1/10量で中毒になってしまうので注意しましょう。
先ほどもお伝えしましたが、海外では重症化・死亡という事例もあり、ソラニンは大量に摂取した場合に昏睡状態になったり、最悪の場合は死に至る場合もあるとても危険な毒素です。
例えば体重50キロの人の場合、ソラニンなどの毒素を50mg摂取すると中毒症状がでる可能性があり、150mg〜300mg摂取すると死んでしまう可能性があるというデータも。
ジャガイモを食べたことが原因となったヒトの食中毒のデータから、体重が50 kgの大人の場合、ソラニンやチャコニンなどのグリコアルカロイドを50 mg(0.05 g、体重1 kg当たり1 mg)摂取すると症状が出る可能性があり、150 mg~300 mg(0.15 g~0.3 g、体重1 kg当たり3 mg~6 mg)摂取すると死ぬ可能性があるとしています。
http://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/solanine/kenkou/kenkou.html
身近な食材なので、しっかり知識を持って正しく処理して食べたいですね。
ふにゃふにゃしたじゃがいもになった時も判断に困りますよね。
>>じゃがいもが柔らかくなったら腐っている?食べられない?判断の仕方
じゃがいもの芽や緑化した場合の処理方法と食中毒の予防法
じゃがいもの毒素”ソラニン”を摂取しないようにするにはどうしたら良いのでしょうか?
毎年、幼稚園や小学校の学級菜園で収穫したじゃがいもを食べて食中毒を起こすという事例があります。
これは収穫時にじゃがいもをそのまま光にあて過ぎてしまったことや、小さすぎる未熟なじゃがいもを調理し食べたことが大きな原因です。
未熟なじゃがいもは完熟のものよりもソラニンが増えやすく、そして小さなじゃがいものため皮ごと調理して食べてしまいやすいため、ソラニンを許容量以上摂ってしまった食中毒なんです。
じゃがいもで食中毒を予防するには、調理する際に毒を多く含むじゃがいもの芽や皮をきちんと取り除く必要があります!
芽の根元にまでソラニンは含まれますので、芽の下をしっかりとエグリ取りましょう。
ソラニンは加熱して消滅する毒素ではありませんので、芽の周りや根本まで十分に取り除く必要があるんですね。
そして、じゃがいもが緑色になった皮をピーラーで剥くと、実の表面もまだ緑がかっていることもあるので、2~3回むくか包丁で皮を厚めにむいてから調理します。
実が白くない場合には、勿体ないですが破棄しましょう。
普通の売られている芽の出ていないじゃがいもでも、ソラニンは含まれるのですが特に皮に高濃度で含まれるため、緑色になっていなくても出来るだけじゃがいもの皮はむいてから食べたほうがいいですよ。
そしてじゃがいもの保存方法にもソラニンを増やさないポイントがあります。
まず風通しがよく、光(直射日光だけでなく蛍光灯などのライトも含む)に当たらない冷暗所で保管してください。
じゃがいもは冷蔵庫に入れる必要はありませんよ。
新聞紙に包むか、紙袋や段ボールに入れ湿気を逃がせるよう光を遮断することをおススメします。
またじゃがいもに傷をつけないようにすることも大切です。
傷がつくとそこからソラニンが増えてしまいますからね。
もし家庭菜園でじゃがいもを育てている場合、充分な土で覆われずに栽培されたり、小さくて未熟なじゃがいもだったり、収穫時に傷がついたりするとソラニンが高濃度になっていることもあるので注意が必要です。
しっかり熟して大きく育つまで収穫しないようにし、収穫後のじゃがいもも日光に当て放しにならないようないよう気を付けましょう。
じゃがいもを切ったときに、黒い塊や茶色く筋ばっている原因はこちらに↓↓↓
>>>じゃがいもの中の黒い塊や空洞は何?茶色い筋は食べられる?じゃがいもが変色する理由
まとめ
じゃがいもを食べた時に苦みやしびれがあるようなときは、ソラニンやチャコニンの毒素を一緒に食べてしまっています。
飲み込まずに吐き出しましょう。
もし食べてしまった場合でも、腹痛・嘔吐など症状がなければ大丈夫ですが、食中毒症状があるようなときには必ず病院へ行きましょう。
じゃがいもの毒素は特に芽や芽の根元、皮が緑色に変色したじゃがいもに多く含まれます。
この部分は食べないで必ず調理前に取り除いでください。
とはいっても恐々食べるのではなく、じゃがいもの皮をしっかりむいて調理すればほとんど問題ありませんよ。